上野東照宮の御朱印とご利益、見どころ
上野東照宮
上野東照宮は東京都台東区、上野公園内にある神社。徳川家康を祀る黄金の社殿は、災害を切り抜けた奇跡の強運も含め一見の価値ありです。
上野東照宮とは、上野公園の中にある神社。「東照宮」というのは徳川家康を祀っている神社のこと。全国に複数あり、栃木県の日光東照宮が特に有名です。そして、東照宮の東京版が、上野東照宮ということになります。
1622年に徳川家康の遺言により、家来の藤堂高虎と天海僧正によって創建されました。
金色に輝く社殿や唐門、参道から見える五重塔、諸大名から奉納された計48基にもなる銅製の灯籠、約250基の石灯籠など、徳川家の繁栄、崇敬の厚さを感じさせる見どころが数多くあります。
上野公園内という立地ですが、意外と人通りは少ないためじっくりお参りできます。徒歩圏内には徳川家にゆかりのある寛永寺もあるので合わせて訪れるのがおすすめのコースです。
上野東照宮の御朱印
御朱印
初穂料(値段)は500円。金色の唐門の右手にある授与所でいただけます。
ぼたん祭が開催されている期間中は、牡丹のスタンプが押されます。
上野東照宮の御朱印帳
オリジナル御朱印帳は2種類でそれぞれ1,500円(御朱印代込で2,000円)。
1つは唐門と社殿、裏に昇り龍、降り竜がデザインされたものと、もう1つは家紋が淡い配色で散りばめられたもの。
御朱印帳袋も
御朱印帳袋は御朱印帳とお揃いのデザインで2種類。各2,000円。
上野東照宮のご利益
御祭神
上野東照宮の御祭神は徳川家康、徳川吉宗、徳川慶喜です。
一時代を築いた武将が祀られていることから「必勝」のご利益があるとされています。
幕末の上野戦争、関東大震災、第二次世界大戦と、時代を超えて様々な危機がありながら、奇跡的に焼失を免れて当時の姿を維持し続けていることから非常に強い運が宿っていると考えられています。
そのため、「学業成就」「受験合格」「就職」「出世開運」などのご利益を授けて頂けます。
上野東照宮の御由緒・歴史
家康の遺言により、寛永寺の中に創建
創建は1627年。きっかけはその11年前の徳川家康の遺言に由来します。
1616年。徳川家康の家来の天海僧正と藤堂高虎が、危篤の家康に呼ばれました。
そこで、「三人一つ処に末永く魂静まるところを作って欲しい」と頼まれます。
そして、藤堂高虎の屋敷地であった現在の上野公園の土地に寛永寺を建てます。寛永寺の境内には様々な建物が建てられ、その中の1つとして「東照社」という神社が創建されました。
それが1627年(寛永4年)のこと。1646年(正保3年)に、朝廷により正式に宮号を授けられ「東照宮」となりました。
家光によって金色堂が建立。莫大な数の灯籠が奉納される
豪華な金色の社殿は三代将軍・徳川家光の時代に建てられました。
1651年(慶安4年)、家光は日光東照宮にお参りできない江戸の人々のためにということで、金色堂を建てました。日光東照宮を意識してこのような豪華な見た目になったのです。
この造営替えの際、全国の大名から灯籠が奉納されます。その数はなんと約250基、徳川家の力の大きさを感じます。鳥居から唐門に至る参道にびっしりと並ぶ様は圧巻です。
上野東照宮の見どころ
社殿(金色殿)
1651年(慶安4年)、徳川家光によって造営された金色の社殿。国指定重要文化財。
入場料は500円。唐門に向かって左手の授与所でチケットを購入できます。ぼたん苑とセットの券もあります。
文化財保護のために内部は非公開となっています。
東照宮の周辺では、幕末の上野戦争、関東大震災、第二次大戦など様々な災害がありました。すぐそばの寛永寺敷地内の建物は焼失しても東照宮だけは奇跡的に被害を受けずにここまで残っています。
このような歴史を踏まえて眺めると、また違った印象を受けるはずです。豪華さだけではない、人知を超えた力を意識してしまいます。
唐門
国指定重要文化財の唐門。正式名称は唐破風造り四脚門(からはふづくりよつあしもん)。
左右に昇り龍と降り竜の彫刻が施されています。左甚五郎という江戸時代に活躍した伝説的な彫刻職人の作品です。
「偉大な人ほど頭を垂れる」ということから、右側の頭が下を向いているほうが昇り龍となっています。
上部(屋根の下)には錦鶏鳥・銀鶏鳥の透彫。
室町桃山時代の技術を集大成したといわれるだけあって、非常に精巧で美しいです。
内側の透彫は諫鼓鳥(かんこどり)という中国の故事に由来するもの。
銅灯籠
参道の突き当り唐門の前。狛犬の周辺には48基の銅灯籠があります。ズラリと並ぶ様は圧巻です。
これらは各地の大名から徳川家に奉納されたもの。
御三家灯籠
唐門の両サイド、透塀の手前には3対の徳川御三家から奉納された灯籠。
内側から紀伊、水戸、尾張の順に並んでいます。
真田信之奉納の石灯籠
水社門をくぐって参道左手、ぼたん苑の入り口の両脇に立っている石灯籠。
これは真田信之が奉納したものです。
大石鳥居
1633年(寛永10年)酒井忠世(江戸幕府の老中、大老)が奉納した鳥居。
ずっしりと横幅のある作り。石材は備前の御影石。関東大震災にあっても少しも傾かなかったほど工事が頑丈だったそうです。
社殿だけでなく、この鳥居もまた様々な災害を乗り越えてた奇跡の御利益を授けてくれるように思われます。
水舎門
鳥居をくぐったあとに最初に現れる門。ですが、もともとは社殿の近くにあった手水舎の屋根を移築して作られたもの。
1651年に阿部重次(武蔵岩槻藩2代藩主であり、徳川家光のもとで老中を務めた)が奉納。その後、1964年(昭和39年)にこちらへ移築されました。
参道に並ぶ石灯籠
参道にずらりと並ぶ石灯籠。金色の社殿を造営した1651年に全国各地の大名から奉納されたもの。
全部で250基近くあり、境内のあちこちに立っています。
五重塔
神楽殿
参道右、手水舎の向かい側にある神楽殿は屋根の傾斜の美しさが天下一品と言われています。
外国人観光客の方が足を止めて写真撮影している姿を多く見かけました。
狛犬
上野東照宮・有料エリア
有料エリアの中には黄金の社殿以外にも見どころが豊富にあります。
透塀(すきべい)
社殿、唐門だけでなく、周りを囲う透塀(すきべい)も国指定重要文化財となっています。
近くで見ると、細やかで美しい彫刻の様子がよく分かります。
上段が野山の動植物、下段には海山の動物の彫刻が施されています。
御神木・大楠
参道に入って左手に見える巨大な楠。
樹齢600年以上で上野の祖木と言われています。幹の太さは8m以上もあり、かなりの迫力。
眺めているとおおらかな気持ちになります。
境内社・栄誉権現社(えいよごんげんしゃ)
有料エリア、参道の突き当り左手にあります。別名・御狸様。
「多を抜く」という縁起から強運、受験や就職、必勝の神様として信仰されています。
きささげの木
透塀の中、社殿の右側にある「きささげの木」
1651年、社殿造営の際、雪除けの願いを込めて植えられたもの。樹齢は350年以上になります。
ノウゼンカツラ科の落葉高木。雪から社殿を守ると信じられてきました。
ぼたん苑
ぼたん苑では、季節に応じて展示が催されています。
料金は大人700円(団体600円)、小学生以下は無料。
- 1月頭~2月下旬に冬のぼたん祭り
- 4月上旬~5月上旬に春のぼたん祭り
- 9月下旬~10月下旬にダリア展
上野東照宮にお参りに行こう!
東照宮といえば日光を思い浮かべるかもしれませんが、東京の東照宮も大変立派で見応えがあります。
東京都内で金色の神社を見られるというのも大変貴重なのではないでしょうか。徳川ファンならずともおすすめの神社です。
大きな災害や戦争にあっても奇跡的に無傷であった強運にあやかるという意味でも、参拝しがいのある神社であると言えます。
上野公園内という立地も良いですし、動物園やお花見の際に立ち寄ってみては。近くの寛永寺もぜひ一緒に参拝してみてください。
上野東照宮へのアクセス
最寄駅・電車での行き方
最寄駅は上野駅です。路線によって最寄りの出口が異なります。
- JR上野駅の「公園口」より徒歩5分
- 東京メトロ銀座線・日比谷線の上野駅「不忍口」より徒歩10分
- 京成電鉄・京成上野駅の「池之端口」より徒歩5分
駐車場
専用駐車場はありません。
上野東照宮の参拝情報
主祭神 | 徳川家康 |
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所在地 | 〒110-0007 東京都台東区上野公園9−88【地図を開く】 |
最寄駅 | JR上野駅の「公園口」より徒歩5分 東京メトロ銀座線・日比谷線の上野駅「不忍口」より徒歩10分 京成電鉄・京成上野駅の「池之端口」より徒歩5分 |
御朱印 | 500円。唐門右の授与所にて |
ご利益 | 学業成就 受験合格 就職 出世開運 |
例祭 | 4月17日 |
拝観料 | 金色殿: 500円(小学生200円) ぼたん苑: 700円(小学生以下無料) 共通券: 1,100円 |
拝観時間 | 9:00~16:30(10月~2月) 9:00~17:30(3月~9月) |
公式サイト | 上野東照宮 |